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ぐんま用水ようすいについて学まなんでみよう！

ぐんま用水ようすいを作つくったわけ

みなさんが毎日まいにち食たべているお米こめや野菜やさいを作つくるには、たくさんの水みずが必要ひつようです。
赤城山あかぎさんと榛名山はるなさんに広ひろがる田たんぼや畑はたけは、水みずがとても少すくなくて農家のうかさんは作物さくもつ（お米こめや野菜やさい）を作つくるのにとても苦労くろうしていました。昔むかしは、少すくない水みずをけんかしながら取とりあって田たんぼを作つくり、畑はたけには水みずを使つかわない桑くわを植うえて、おかいこを育そだてて生活せいかつしていました。
ぐんま用水ようすいができて、田たんぼや畑はたけでいつでも水みずが使つかえるようになり、みんなが安心あんしんしてお米こめや野菜やさい、さらには果物くだものまで作つくれるようになったのです。
今いまでは、米こめや麦むぎ、なす、ネギ、きゅうり、こんにゃくいも、うめ、ほうれんそう、ちんげんさい、だいこん、しいたけなどの野菜やさいや、いちご、ぶどう、なしなどの果物くだもの、バラや菊きくなどの花はなも栽培さいばいされています。

ぐんま用水ようすいって？

ぐんま用水ようすいは、田たんぼや畑はたけなどで農業のうぎょうのために使つかうことができる水みずです。
今いまから約やく50年前ねんまえの1970年ねん（昭和しょうわ45年ねん）に完成かんせいして、群馬県ぐんまけんのまん中なかを流ながれる利根川とねがわから水みずを引ひいてきています。
利根川とねがわは上毛じょうもうかるたの【と】「利根とねは坂東一ばんどういちの川かわ」でおなじみの川かわで、日本にほんのなかで二番目にばんめに長ながい川かわです。田たんぼや畑はたけで使つかわれているぐんま用水ようすいは、利根川とねがわの水みずなのです。その川かわの水みずを使つかって、農家のうかさんは田たんぼでお米こめを作つくり、畑はたけで野菜やさいなどを作つくります。
お米こめづくりは、春はるから準備じゅんびをはじめます。
最初さいしょに、種たねの準備じゅんびをして苗なえを育そだてます。田たんぼを耕たがやして肥料ひりょうをまいたり平たいらにしたり、種たねから育そだてた苗なえを田たんぼに植うえます。その後あとは、苗なえが枯かれないように田たんぼに水みずを入いれつづけます。夏なつになると、いねの根ねっこを強つよく育そだてるために水みずを止とめたり、花はながさいて実みがなるときは水みずを増ふやしたり、いねが黄色きいろくなる秋あきまで水みずの量りょうを調整ちょうせいします。

お米こめづくりのながれ（みぎにある＋ボタンをおしてください）

はじめに
からが付ついたままのお米こめを「もみ」とよびます。

種たねの準備じゅんび 種たねとなる「もみ」を塩水しおみずに入いれて選えらびます。中身なかみが少すくない「もみ」はういて、中身なかみがつまっている「もみ」はしずみます。しずんだ「もみ」を種たねとして使つかいます。

種たねまき 選えらばれた「もみ」を元気げんきに育そだてるために、消毒しょうどくしたり、干ほしたり、水みずにつけたりします。そして、土つちの入はいった育苗いくびょう箱ばこという四角しかくい箱はこに種たねまきします。

育苗いくびょう 種たねまきした箱はこを水みずにつかるように平たいらに並ならべ、小ちいさいテントで囲かこみ暖あたたかくします。

土つちづくり 田たんぼは何度なんどか耕たがやします。田たんぼのふちを水みずがこぼれないように固かためます。田植たうえの前まえに水みずを入いれて耕たがやすことを「しろかき」とよびます。このとき水みずをたくさん使つかいます。

田植たうえ 12～15cmほどに成長せいちょうした苗なえを田たんぼに植うえます。田植たうえのあとは、田たんぼに水みずを入いれつづけます。

水管理みずかんり 毎日まいにち、天気てんきにあわせて水みずの量りょうをかえます。そのほか、根ねっこを元気げんきに育そだてるために水みずを止とめたり、花はながさいてお米こめが実みのるときは水みずをたくさん増ふやします。何度なんども何度なんども調整ちょうせいします。

収しゅうかく お米こめが実みのり、いねの先さきがおじぎして黄色きいろくなったら水みずを止とめます。田たんぼの土つちといねがしっかりとかわいたら「いねかり」です。

かんそう かり取とったいねをかんそうさせます。逆さかさまにしてお日ひさまの下もとで干ほす方法ほうほうや、「だっこく」して「もみ」の状態じょうたいで機械きかいを使つかってかんそうさせます。

もみすり 「いね」を「もみ」と「わら」に分わけることを「だっこく」とよびます。「もみ」のからをはずすことを「もみすり」とよび、はずれたからを「もみがら」とよびます。

精米せいまい からのはずれたお米こめを玄米げんまいとよびます。茶色ちゃいろい玄米げんまいを精米せいまいすると、白しろいお米こめになります。精米せいまいしたときに、けずり出でた粉こなが「ぬか」です。白しろいお米こめをすい飯はんすれば、白しろいご飯はんになります。

田たんぼに使つかわれる水みずは、ため池いけや小ちいさい川かわから水路すいろを使つかって取とり入いれています。ため池いけや川かわの水みずは、雨あめが多おおく降ふればみんなで使つかえますが、雨あめが降ふらなければ少すこしの人ひとしか使つかえません。天気てんきによって水みずを使つかえたり使つかえなかったりでは、農家のうかさんたちは困こまってしまいます。
ぐんま用水ようすいは、利根川とねがわから大おおきな水路すいろを作つくって、田たんぼや畑はたけの近ちかくまで水みずを運はこんでいます。大おおきな水路すいろから分わかれた水みずは道路どうろの中なかを通とおって田たんぼや畑はたけにとどきます。ハンドルを回まわせばいつでも水みずが出でるようになりました。ため池いけや川かわの水みずといっしょに使つかうことで、たくさんの人ひとたちが水みずを使つかうことができるようになりました。雨あめが降ふらなくても毎年まいとし同おなじように安心あんしんして水みずが使つかえるようになり、お米こめや野菜やさいを作つくれるようになりました。また、水路すいろの工事こうじといっしょに道路どうろを広ひろげたり、まっすぐにして田たんぼや畑はたけをきれいな形かたちに整ととのえました。

ひとこと

お父とおさんやお母かあさん、おじいちゃんやおばあちゃん、親しんせきのおじさんやおばさん、そして一生懸命いっしょうけんめいがんばっている農家のうかさんがぐんま用水ようすいを使つかって育そだてたお米こめや野菜やさいは、安心安全あんしんあんぜんでとてもおいしいです。ぐんまで育そだてた食たべ物ものをグングンいただきましょう！
食たべ物ものを育そだててくれた人ひとや作つくってくれた人ひとに、「いただきます」と「ごちそうさま」のありがとうの気持きもちを忘わすれずに食たべれば、みんなはとても喜よろこびます。

ぐんま用水ようすいの役割やくわり

ぐんま用水ようすいは、田たんぼや畑はたけで使つかわれるほかにも、多おおくの役割やくわりがあります。利根川とねがわから分わかれて田たんぼや畑はたけにとどく間あいだに、水道水すいどうすいに利用りようされています。浄水場じょうすいじょうで川かわの水みずから、水道すいどうの水みずに生うまれ変かわっています。群馬県ぐんまけんの約やく半分はんぶんの人ひとがぐんま用水ようすいを通とおった水道すいどうを使つかっています。
田たんぼや畑はたけが使つかわれていると、大雨おおあめが降ふったときに田たんぼに水みずがたまり洪水こうずいの被害ひがいを減へらしたり、土つちに水みずがしみこんで地下水ちかすいを守まもり、植物しょくぶつや動物どうぶつの環境かんきょうを整ととのえます。また、水みずが入った田たんぼ、ため池いけや小ちいさい川かわは、カエルやトンボなど小ちいさい生いき物もののすみかとなります。ぐんま用水ようすいの地域ちいきが自然しぜんあふれる場所ばしょとなる手助てだすけをしています。
ぐんま用水ようすいの一部いちぶ地域ちいきは、たくさんの家いえや道路どうろ、お店みせなどが増ふえました。もし、火事かじが起おきたとき火ひを消けすためには、たくさんの水みずが必要ひつようです。もしものときに、水路すいろを流ながれている水みずや調整池ちょうせいちの水みずを消火しょうか用水ようすいとして使つかうことができます。大おおきな災害さいがいのときは、生活せいかつに必要ひつような水みずとしても使つかうことができます。
魚さかなや昆虫こんちゅうを見みつけても、ぐんま用水ようすいの中なかには絶対ぜったいに入はいらないでくださいね。

さいごに

水みずはとても大切たいせつな資源しげんです。
日本にほんは海うみに囲かこまれた国くになので、山やまや森もりに雨あめや雪ゆきが降ふり、川かわや湖みずうみができて、水みずが無なくなることはほとんどありません。家いえでも田たんぼでも、蛇口じゃぐちを回まわせばいつでも水みずが使つかえます。
ところが、水みずが出でるまでには、たくさんの熱ねつや電気でんきなどのエネルギーが使つかわれています。水みずの無駄むだづかいを減へらすことで、その分ぶん使つかわれるエネルギーも少すくなくなります。地球ちきゅうの熱ねつが上あがらないように、ひとりひとりが地球ちきゅうのことを考かんがえて、水みずを大切たいせつに使つかいましょう。